「出会う能力」って、実は一つじゃないんです
学校、アプリ、街コン。場が変われば、必要な能力はまるで違う。だから「自分は出会いに向いてない」の多くは、場とのミスマッチです。そして——本当に磨くべきなのは、たぶん別のところにあります。
「自分は出会いに向いてない」と思っている人、けっこう多いと思います。でも、その前にひとつ知っておいてほしいことがあります。
出会う能力は、一つじゃありません。場によって、まったく別の能力が要る。ここを一緒にして「自分はダメだ」と決めつけているだけの人が、実はすごく多いんです。
ちょっと分けて考えてみますね。
① 学校・職場での出会い
ここで効くのは、時間をかけて少しずつ距離を縮める力です。毎日顔を合わせるので、初対面のインパクトはいりません。焦らず、何気ない会話を重ねて、困っているときにさっと助ける。そういう地味な積み重ねが効く世界です。
一発の勝負がないぶん、瞬発力より継続力。ゆっくり信頼を育てるのが得意な人は、ここで強い。
ただ、これ、今の時代はいちばん面倒に感じる能力かもしれません。娯楽もインスタントに手に入るし、「ちょっと違うな」と思ったら、アプリを開けばすぐ次の人に行ける。時間をかけて一人と向き合う理由が、どんどん薄くなっている。
だから逆に、じっくり人と関わる経験そのものが減っています。頑張って距離を縮める力も、相手をちゃんと見る目も、鍛える機会がないまま。——この話、あとでもう一度出てきます。
② マッチングアプリでの出会い
これは、まったく別のゲームです。
まず、写真とプロフィールで選ばれないと、会うことすらできない。会う前に、文字だけでやり取りを続ける力も要る。つまり、実際の魅力とは別に、ステータスと写真で勝負する力と、文章でのやり取りの力が問われます。
だから、実際に会えばすごく魅力的なのに、アプリだと全然マッチしない人がいる。これは実物の価値が低いんじゃなくて、写真とプロフィールの見せ方という、別の能力の話なんです。
③ 街コン・婚活パーティでの出会い
そしてここが、また別の能力。
短い時間、初対面、その場に大勢いる。事前情報もない中で、その数十分で印象を作る世界です。じっくり時間もかけられないし、プロフィールも読めない。だから、ちょっとした気配りや、表情や、その場での立ち回りが効いてくる。
学校型の「時間で詰める力」も、アプリ型の「写真とプロフィールで見せる力」も、ここではあまり効きません。まったく違う筋肉を使います。
つまり、同じ人でも場によって「モテ」が変わる
ここが大事なところです。職場では自然に恋人ができるのに、アプリだと全然ダメ。アプリは得意だけど、対面の場だと固まってしまう。——こういうこと、普通に起きます。
同じ人間なのに、場が変われば結果が変わる。あなたの価値が変わったんじゃなくて、その場が求める能力が、あなたの得意とズレていただけなんです。
だから「自分は出会えない」と思っている人の多くは、たぶん、たまたま自分に合わない場で戦っていただけ。それを「自分がダメだから」と読み替えてしまっている。もったいない話です。
ちなみに、どの場でも効く「反則カード」が一枚あります
正直に言うと、三つのどの場でも共通して有利になる能力が、一つだけあります。
見た目です。
身も蓋もないですが、事実なので言っておきます。清潔感、雰囲気、第一印象。これはどの場でも効く。磨いて損はありません。
……ただ、これで終わると、もう一個の大事なことを言い忘れちゃうんです。
「選ばれる力」が高い人が、いい人とは限らない
ここまで全部、「どうやって選ばれるか」「どうやって出会うか」の話でした。三種類の能力も、見た目も、全部そう。自分が動く側、選ばれる側の話です。
でも、ちょっと立ち止まって考えてみてください。
第一印象を作るのがうまい人、場慣れしている人、見た目のいい人——そういう「選ばれる力」の強い人が、そのまま「一緒にいて幸せになれる、いい人」かというと、まったく別の話ですよね。
むしろ、逆のことすら起きます。選ばれる力が強い人ほど、その力だけで関係が始まってしまうから、中身をちゃんと見られないまま付き合いが始まる。第一印象と勢いで進んで、あとから「あれ、思ってた人と違う」となる。出会いの場で強い人を、強いというだけで選んでしまう。ここに、いちばんの落とし穴があります。
本当に磨くべきは、「いい人を見抜く力」かもしれない
出会う能力が三種類あるように、実は「いい相手を見抜く力」も、それ自体が一つの能力です。そして、これは他の能力と決定的に違うところがあります。
一生、腐らないんです。
第一印象を作る力は、場によって不利になることもある。見た目も、年齢とともに変わっていく。でも「この人は誠実か」「一緒にいて自分は自分でいられるか」を見抜く力は、どの場でも、何歳になっても効く。しかも、鍛えれば誰でも上がる。
さっき、「今は一人とじっくり向き合う経験が減っている」という話をしました。実はそのぶん、この見抜く力を育てる機会も減っているんです。すぐ次に行ける時代だからこそ、一人をちゃんと見る力は、意識して磨く価値がある。
モテる力を追いかけるより、こっちを磨いたほうが、たぶん人生は幸せになります。
見抜くには、「ちゃんと話せる場」を選ぶこと
最後に、ひとつだけ実用的な話を。
いい人を見抜きたいなら、見抜ける場を選ぶことも大事です。
大人数で、次々に人が入れ替わって、勢いで比較される場だと、どうしても第一印象と見た目で選んでしまう。中身を見る余裕がない。
逆に、少人数で、ちゃんと落ち着いて話せる場なら、相手の言葉や、気配りや、その人らしさが見える。見抜く力は、そういう場でこそ働きます。
出会う能力が足りないと悩む前に、まず「自分に合った場」で、「ちゃんと相手を見られる状態」で会ってみる。それだけで、見えてくるものはずいぶん変わるはずです。
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